遠州の昔話を絵本にする時、
絶対描き入れたいと思ったのが
うなぎです。
もう 絶対です。
昔話なので天然うなぎです。
浜松はうなぎの養殖で有名ですが
本格的な養殖が始まったのは
明治にはいってから。
それより前は
うなぎといえば
天然うなぎだったはず。
しかし、自然のうなぎなんて、
どうやったら見られるでしょう。
とりあえず、舞阪漁協へ電話。
(舞)「はい、ときどき
セリに出されますよ。」
(私)「見に行ってもいいですか?」
(舞)「いっ、いつも出回るわけじゃ
ないですよ?」
たまーに捕まってセリにかけられる
だけで、決まって出荷されるわけじゃない。
いつ捕まるとも知れない天然うなぎを
待って 早朝魚市場へ通い詰めるのも
大変だ。
(絵本制作当時は、まだうなぎは
レッドデータリスト入りしては
いませんでしたが、もうすでに
危機的状況にあったようです。)
そんな折、三島の商工会議所が、
天然うなぎを展示すると新聞に載りました。
「母なる天然うなぎを守ろう」
こんなポスターが張られるようになり、
その活動の一環だったと思います。
もう 大チャンス!!
さっそく三島へ駆けつけてみると
そこにいたのは
「小さっ」
なんとも小さな子供うなぎでした。
私の親指ぐらい・・・?
さすがにもうちょっと大きいか?
そしてそのうなぎは
きれいなオリーブグリーンを
していたのでした。
(天然のうなぎは個体ごとに
色が違います。)
水槽の岩(←石)陰から
出たり引っ込んだりしています。
(うなぎは後ろへ後ずさる動きが
得意。頭も尻尾も似たよな形
だからか?)
とりあえず スケッチはしてみたけど
さすがにこれじゃあ小さすぎる。
大人のウナギも見たいなあ。
できれば 下りうなぎがいいな。
体が成熟して、海へ出る準備が
整ったうなぎのことです。
このオリーブ子供うなぎちゃん、
二歳くらいだそうで・・・
え? 二歳?
二歳と言えば、養殖うなぎなら
出荷されるトシじゃないですかっっ
養殖のうなぎは栄養のある餌を
大量に与えられ、どんどん太って
二年もすれば 蒲焼にちょうどいい
大きさに育つのです。
自然に育つと二年でこの大きさなのか。
とにもかくにも
心行くまでスケッチして
帰ったのですが、
気が済むどころか
よけいに うなぎを見たい気持ちが
つのってしまいました。
なんとか見られないかな、
ほどよき大きさの天然うなぎ。
(余談ですが 三島はコロッケが
有名です。買って帰ろうと
したのですが、どこで売っているのか
分からず 買えずじまいでした。)
こんな調子で大丈夫なのか?
はたして私はうなぎを拝むことが
出来るのかーーーつづく!